小山紀彦、勇者です!

小山紀彦です、勇者始めました。

小山紀彦、勇者です!#10

#10「捨てられないもの」

 

 

 

俺の名前は小山紀彦。

サラリーマンの傍らに勇者をやっている。

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~前回までのあらすじ~

 

仕事帰りに立ち寄ったコンビニの前で突然アイツと遭遇した俺。

なんやかんやとあって、俺はコンビニでギルドとやらに登録する事になる。

ギルド登録に登録許可証、それに魔物退治。いよいよもって俺も勇者だな。

俺の口から洩れたそんな心の声を耳にした店員がふいに顔を上げて

俺に「違いますよ」と、声を掛けて来た。

え!?違うの!?

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仕事帰りの魔物との戦いでへとへとになった俺。

何をする気力もなく、俺は倒れこむように布団にもぐった。

しかし無情にもそんな時に限って、眠気は襲ってこない。

あらゆる手を尽くし、俺は眠りの世界に旅立とうとするも…

無情にも次の朝がやってくる…

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「全く眠れなかった…」

 

まだ平日だぞ…と思いながら、サラリーマンのサガか、重い体を引きずり出社の準備を始める。

まあ平日の前日に寝不足になる…事自体は珍しくはないが、流石に魔物退治明けではそうはいかない。

 

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「今日の所は何とか休めないだろうか…」

 

そう思い、会社の方へ連絡をしてみる。

 

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「今日は休みたい?ダメに決まっているだろう!!さっさと支度して出社しろ!!」

 

お決まりのような無情な返答。部下の体調不良を無視して出社を強制するとは。

間違いなくブラックな環境に身を置いているな。

電話を切り、ため息をつきながらそう思った。

 

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「こいつはどうしたものかな」

 

出社の準備をしながら、昨日購入したカラーボールが目に入った。

それが昨日の一連の出来事が現実であったと思わせる。

もはや必要ないだろう…と思いつつ、昨日遭遇したのは2匹…。

二度と出会う事は無い…と断言出来る保証はない。身を守るためには必要だろう。

 

「とりあえずカバンに入れて行こう」

 

どこで手に入るかもわからないし、そもそも捨てていいものなのかもわからない。

邪魔にならない分だけカバンに詰めて、重い足を引きずりながら出社した。

 

 

 

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