小山紀彦、勇者です!#8
俺の名前は小山紀彦。
サラリーマンの傍らに勇者をやっている。
~前回までのあらすじ~
俺は仕事帰りに立ち寄ったコンビニの前で全身に目を纏ったアイツと遭遇した。
なんやかんやとあって、俺はコンビニでギルドとやらに登録する事になる。
ギルド登録に登録許可証、それに魔物退治。いよいよもって俺も勇者だな。
俺の口から洩れたそんな心の声を耳にした店員がふいに顔を上げて
俺に「違いますよ」と、声を掛けて来た。
え!?違うの!?
俺は魔物に立ち向かうが絶体絶命のピンチに。
そんな俺のピンチを救ったのはハンバーガー…の姿を模したおやつ。
果たして魔物との戦いの行方は?
魔物はすっかり騙されて、知育菓子のハンバーガーに引き寄せられていた。
ハンバーグ弁当と同じように、包装ごとバリバリ貪っている。
流石は魔物というわけか…
やるなら今の内と魔物に詰め寄り、カラーボールを投げた。
投げたボールは真っ直ぐ魔物に飛んでいく。
命中。カラーボールがヒットすると、最初の魔物の時の様に効果が表れた。
魔物の体はどんどん朽ちていく。苦しげな声を聴くと少々気の毒な気もしたが、
正当防衛だと思うようにした。
「お客様、やりましたね。これでまた1000ポイントですよ。」
「ようやく一息つけるのか…」
思えば仕事帰りにとんでもない目に遭ったものだ。
安心感からかどっと疲労感に襲われた。
「早速ポイントを使われますか?」
店員は業務的にまたポイント利用の催促をしてくる。
まぁ、確かにさっきは緊急事態でゆっくりラインナップはわからずじまいだ。
早速店員は商品一覧リストを見せてくる。
商品リストはどこかで見たことのあるものと、とってつけたようなカラーボール。
いかにもな初期武器屋って感じだ。
とりあえず使い勝手が良さそうなので、もう一度カラーボールを5個購入して、
ようやく帰路に着いたのだった。
カラーボール 所持数 8個
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