小山紀彦、勇者です!#7
俺の名前は小山紀彦。
サラリーマンの傍らに勇者をやっている。
~前回までのあらすじ~
俺は仕事帰りに立ち寄ったコンビニの前で
全身に目を纏ったアイツと遭遇した。
なんやかんやとあって、俺はコンビニでギルドとやらに登録する事になる。
ギルド登録に登録許可証、それに魔物退治。
いよいよもって俺も勇者だな。
俺の口から洩れたそんな心の声を耳にした店員がふいに顔を上げて
俺に「違いますよ」と、声を掛けて来た。
え!?違うの!?
そして現れる新たな脅威。
それに立ち向かうべく俺は武器(カラーボール)を取る!
「ウオオオオオオオオオオ!」
激しく怒り狂っているのが見て取れるアイツににじり寄る…
そして、手にした魔物退治用のカラーボールを…
勢いをつけて投げた!が…
どうやら勢いがつきすぎたようだ。カラーボールは魔物を通り過ぎ、明後日の方へ。
そしてそれは魔物に俺の存在を気付かせる事になる!
ぎょろりと、あいつの無数にある眼が俺を睨む。明らかに敵意がある眼だ…
「ウオオオオオオオオオオ!」
「しまった!」
焦る間もなく、魔物の反撃とばかりの体当たりに突き飛ばされる俺。
全身に響く衝撃に、何が起きたかもわからない。
打ち倒されてもがくそんな俺の横から、あのコンビニ店員が声をかけてきた。
「あの魔物は、ハンバーグが好物なんですよ。それを使って注意をそらしましょう。」
そんな馬鹿な…と思ったが、確かに俺は最初襲われた時ハンバーグ弁当を食われた。
あれが偶然じゃなく狙って奪いに来たのだとしたら…!
俺は何とか立ち上がりさっきのハンバーグ弁当を取りに行こうとするが…
皮肉にもハンバーグ弁当は売り切れだった。
「何か代わりになるものはないか!」
慌てて店内を駆け巡る俺。そんな俺を追い掛け回す魔物。混乱状態だ。
「お客様、代わりにこちらの商品はいかがですか?」
そんな店員の声に振り替えるとその手に持っていたのは意外なものだった。
「ポッピンクッキン ハンバーガーです。」
「なんだそれ!?まあいいや、それをくれ!」
「270円になります。」
急いで店員に駆け寄り、ハンバーグ?を受け取る。
「そら!お前が大好きなおやつだぞ!」
それを魔物に向かって投げる!
思った以上の効果で、完全にアイツは背を向けて大好きなおやつに向かっていった!
「よし、これなら…!」
このチャンスは逃せない…俺は好物を箱ごと貪る魔物に近づき、カラーボールを振りかぶる!
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